因幡・但馬に広がる「31」の構成文化財 麒麟のまち圏域に受け継がれる伝統芸能「麒麟獅子舞」や麒麟獅子ゆかりの鳥取東照宮をはじめ、日本海の風が創り出した鳥取砂丘や、風が起こす荒波により削り出された浦富海岸、但馬御火浦、香住海岸、風がもたらす豪雪に育まれた杉林を背に佇む石谷家住宅や太田家住宅、岩窟寺院の不動院岩屋堂など、31の文化財などが存在する。 目次 【砂】風が育む「砂」の賜物 【波】風が育む「波」の賜物 【雪】風が育む「雪」の賜物 【麒麟獅子】風の季節での無事と感謝を胸に舞われる「麒麟獅子舞」 【砂】風が育む「砂」の賜物 見渡す限り、一面に広がる砂。ある時は豪快に、またある時は穏やかにその表情を変える。 ①鳥取砂丘 中国山地から流れ出た岩石が、川の流れにより砕かれ砂となり、風の吹き返しによって海に寄せ集められ形成された日本最大級の海岸砂丘。 起伏の大きさによる雄大な景観を特徴とし、目に見えない風の姿を「風紋」や「砂簾」、「砂柱」などの多様な造形を通してみることができる。 もっと見る ②白兎神社樹叢 神話「因幡の白兎」で知られる白兎神社の樹叢(じゅそう)。白兎が身体を洗ったとされる不増不減の池は、鳥取砂丘の西端にあり、岩盤と砂丘の境界にあるため、季節を問わず水量が一定で、砂丘形成の歴史を示す証となっている。 もっと見る ③青谷上寺地遺跡 精巧な木製品をはじめ、多種多様な遺物が非常に良好な保存状態で出土した「地下の弥生博物館」として知られ、潟湖を利用した人々の暮らしを知ることができる。古代の日本海側の交易の拠点と考えられている。 もっと見る ④桂見遺跡出土 縄文時代遺物一括 この地域の人々が、砂が堆積し海岸部に形成される潟湖を利用した生活を古くから営んでいたことを示す丸木舟や櫂などの遺物。 丸木船は鳥取県立博物館に展示されている。 もっと見る ⑤新温泉町浜坂味原川地区 川が運ぶ土砂が波や海流により運ばれ、堆積した砂州の上に形成された町並み。周辺より高く、水はけが良いため、軟弱な地盤や水害に耐えるよう積み上げた石垣の上に、明治初期の商家や高瀬舟の船着き場、船荷の上げ下ろしを行った階段等が残る。 もっと見る ⑥鳥取砂丘 砂の美術館 世界初の砂の彫刻「砂像」を展示する美術館。毎年テーマを変え、世界トップレベルの彫刻家による作品を展示している。 もっと見る 【波】風が育む「波」の賜物 鳥取砂丘から日本海に沿って進むと、荒波が岩を削り取って造形した龍や獅子の躍動する姿を思わせる奇岩や洞窟、断崖、入り江を白く彩る砂浜など、約50㎞にもわたって連なる多彩な海岸地形の世界を楽しむことができる。 ⑦因幡・但馬沿岸の岩石海岸の漁村集落 大きな入り江(夏泊・田後・網代・浜坂・香住)は松葉ガニ漁等の拠点に、小さな入り江(酒津・居組・釜屋・諸寄・三尾・余部・鎧・柴山・無南垣・浜安木・相谷)は風待ち港などに利用される。崖上にある「御崎集落」は、平家落人の伝承をもち、村の始祖を祀る祭礼等にその歴史を留めている。こうした集落では、風雪に耐える板囲いをした家が重なり合うように軒を連ねている。 もっと見る ⑧浦富海岸 風が起こす荒波に浸食され、創り出された断崖絶壁や洞窟、奇岩などが連なる。松や菜の花が自生する離れ岩もあり、青く透き通った海とのコントラストが絶景。 もっと見る ⑨但馬御火浦 龍や獅子の姿を思わせる奇岩や洞門など、荒波が創り出した岩石海岸が約8㎞にわたり続く。かつては陸路での往来が困難な程入り組んでおり、主な交通手段であった漁船による海上タクシーが今も運航する。 もっと見る ⑩香住海岸 背後に山が迫り、入り組んだ海岸線が特徴で、入り江や河口部以外は、荒波が削り出した切り立った岩や地層がむき出しになっており、彫刻作品のような岩石海岸が連なる。 もっと見る ⑪余部橋梁 高さ約40mの崖を横断する橋梁として、明治45年に初代の鋼製トレッスル橋が設置。現在は2代目となり、初代の橋は「空の駅」展望施設として生まれ変わっている。 もっと見る ⑫百手の儀式 強風にさらされる断崖に佇み、平家の落人を祖とする「御崎集落」に残る伝統行事。氏神の境内で源氏に見立てた眼を描いた的に、3人の少年が101本の矢を射こむ神事。 もっと見る 【雪】風が育む「雪」の賜物 鳥取砂丘の砂を生み出す中国山地へと急流を遡ると、冬には「山雪」に深く覆われる山郷へ辿り着く。 ⑬若桜鉄道若桜駅本屋及びプラットホーム、転車台ほか計23件 杉材や木炭の輸送路として、昭和5年に開業した森林鉄道。木造の駅舎群や石積みのプラットホーム、橋脚、「雪覆」と呼ばれる山から線路への落雪を防ぐトンネル、流雪溝などが開業当時のまま残る。終着駅では、手動式の転車台で転回する蒸気機関車の運転体験を行っている。 もっと見る ⑭石谷家住宅 江戸時代の宿場町に佇む大邸宅。杉が多用され、3,000坪の敷地の中に、山で働く人の作業場、巨木の梁組が見渡せる吹き抜けの土間や40を超える部屋を有する山主の住居、7棟の蔵をもつ。宿場町の名残をとどめる町並みには、酒蔵や家々の軒先に杉玉が吊るされ、冬には雪灯篭が立ち並ぶ。 もっと見る ⑮智頭町板井原伝統的建造物群保存地区 杉林に隠され、「六尺道」と呼ばれる幅1.8mの古道以外に交通路の無かった標高約430mにある山村。茅葺き屋根の古民家、水車、炭焼き小屋など、杉林に守られながら暮らした生活の場が昔のまま残る。 もっと見る ⑯智頭の林業景観 枝が雪の重みで地面に押さえつけられて発根する沖ノ山天然杉の性質を利用した育苗・造林技術の確立により形成された杉の人工林と天然の森林、江戸時代から続く人々の林業への営みから生まれたもので、茅葺民家の山村集落や宿場町、旧街道、森林鉄道の軌道跡等が残る文化的景観。 もっと見る ⑰杉神社 杉を神格化した神社で、町民が私財を投じ建立した。三角錐の形は、杉の姿を表現している。 もっと見る ⑱矢部家住宅 江戸時代に大庄屋を務め、当時の上層農家の佇まいを残す格調高い建築。茅葺屋根や太い柱などに雪への備えが施されている。 もっと見る ⑲太田家住宅主屋、新建、門長屋 中国山地を背に主屋や新建、数棟の土蔵が建つ。土間の高窓から採光を取り入れるなど、雪深い気候に対応した造りが施されている。 もっと見る ⑳三百田氏住宅 因幡地方の最奥の村で、江戸時代に庄屋を務めた旧家。中国山地を背に茅葺屋根、太い梁や柱など、雪深い気候に対応した造りが施されている。 もっと見る ㉑氷ノ山後山那岐山国定公園 氷ノ山をはじめ、標高1,000mを超える高く険しい山々が連なり、冬に大陸から吹き寄せる季節風を受け止め、「山雪」を降らせる。風がもたらす重い雪は、強い杉を育む環境を生み出し、林業を発展させた。 もっと見る ㉒蔵通り 積雪に耐える赤瓦を葺いた白壁、下見板張りの土蔵が約300mにわたり連なる。明治18年の大火を機に、住民主導の都市計画に基づき整備され、妻入の土蔵が立ち並ぶ景観は、通りに落雪しない配慮によるものといわれる。 もっと見る ㉓仮屋通り 家の庇を道路側に1.2m伸ばし、雪の時にも軒下を通れるようにしたアーケード。雪と共存する生活の知恵として、現在も活用されている。通りに沿って流れる水路は防火用水や流雪路の役割も持つ。 もっと見る ㉔木島家住宅主屋 明治18年の大火を機に、若桜宿の復興計画として定めた「宿議決書」に基づき、明治20年に建築。典型的なカリヤを持つ建築で、現在は休憩・交流所として活用されている。 もっと見る ㉕不動院岩屋堂 杉の大木の間から覗く天然の岩窟に佇む舞台造りの建造物で、南北朝時代の建立とされる。豪雪が雪解け水となり、岩を浸食したことで形づくられたとされる岩窟を、先人は神仏の宿る場所として利用した。 もっと見る 【麒麟獅子】風の季節での無事と感謝を胸に舞われる「麒麟獅子舞」 ㉖因幡・但馬の麒麟獅子舞 麒麟獅子舞は霊獣・麒麟をかたどった獅子頭を被り、蚊帳と呼ばれる胴幕に大人二人が入って舞う二人立ちの獅子舞で、多くは一頭で地を這うようにゆっくり頭を回したり、ひねったり、伸び上がるような動作が特徴的。 麒麟獅子舞の頭は面長で、額に角、直立した耳を持ち、ねむり獅子の異名があるようにまなこを閉じており、鼻の穴は天上に大きく開き、どことなくユーモラスな表情となっている。 また、獅子舞には天狗などの獅子のあやし役がつくが、麒麟獅子舞は、赤い面・衣装・髪の「猩々」がつくのが特徴で、長さ1.5mほどの赤い棒を持ち、麒麟獅子を先導したり、緩やかな動きで舞ったりする。 もっと見る ㉗鳥取城跡附太閤ヶ平 麒麟獅子舞をこの地に登場させた初代鳥取藩主・池田光仲の居城。かつて荒波が削り出した険しい地形の久松山に築かれ、戦国時代には堅固な名城として知られた。 もっと見る ㉘仁風閣 鳥取藩主の池田家が宿舎として鳥取城跡に建築した洋館。明治40年、時の皇太子の山陰行啓時に再興された祭で麒麟獅子が登場し、現在は定期的に舞われ、来訪者に幸せを分け与えている。 もっと見る ㉙鳥取東照宮 初代鳥取藩主が善政を誓い、偉大な曾祖父・徳川家康を祀るために鳥取城下町に建立した神社で、麒麟獅子はその祭礼で初めてこの地に登場した。木立に囲まれた谷間にあり、上質な建物だが素朴な佇まいを見せる。 もっと見る ㉚宇倍神社 因幡一の宮で、古くから信仰を集める神社。中絶しかけた東照宮祭礼の麒麟獅子舞を継承し、村々にその流れを伝えた。現在は獅子頭で参拝者の頭を嚙むなど、幸せを授けている。 もっと見る ㉛聖神社 宇倍神社同様、古くから信仰を集める有力な神社で、中絶しかけた東照宮祭礼の麒麟獅子舞を継承し、村々にその流れを伝えた。 もっと見る 地図を見る ①鳥取砂丘 ②白兎神社樹叢 ③青谷上寺地遺跡 ④桂見遺跡出土 縄文時代遺物一括 ⑤新温泉町浜坂味原川地区 ⑥鳥取砂丘 砂の美術館 ⑧浦富海岸 ⑨但馬御火浦 ⑩香住海岸 ⑪余部橋梁 ⑫百手の儀式 ⑬若桜鉄道若桜駅本屋及びプラットホーム、転車台ほか計23件 ⑭石谷家住宅 ⑮智頭町板井原伝統的建造物群保存地区 ⑯智頭の林業景観 ⑰杉神社 ⑱矢部家住宅 ⑲太田家住宅主屋、新建、門長屋 ⑳三百田氏住宅 ㉑氷ノ山後山那岐山国定公園 ㉒蔵通り ㉓仮屋通り ㉔木島家住宅主屋 ㉕不動院岩屋堂 ㉗鳥取城跡附太閤ヶ平 ㉘仁風閣 ㉙鳥取東照宮 ㉚宇倍神社 ㉛聖神社 人気記事ランキング まるごと鳥取城跡 歴史からアクセス、イベント情報までまるっとわかる 詳細はこちら 初めての鳥取砂丘!事前に知っておきたい砂丘攻略法 詳細はこちら 「松葉ガニ」は「ズワイガニ」?鳥取市で食べるべき絶品極上のカニとは 詳細はこちら 地元で味わうのが一番おいしい!鳥取グルメ 詳細はこちら JR鳥取駅・鳥取空港~鳥取砂丘へのアクセス 詳細はこちら